【サンプル記事】ノオトで一番の炊飯上手ってマジ? 社員・うないに「お米の炊き方」を聞いた
「俺はノオトで一番、米を炊くのが上手い」
そう豪語するのは、2016年入社の編集者・うないいちどうです。
はたしてうないは、どんな米の炊き方をしているのでしょうか?
炊飯器は使わない、レミパンを使う
——本当に、ノオトで一番上手いのでしょうか?
他の社員の炊飯を一度も見たことがないので、完全な憶測なんですけど間違いありません。
——上手く炊くために、なにか特別なことをしているのでしょうか?
炊飯器は使わず、レミパンで炊いてます。料理愛好家・平野レミさん監修の、フライパンにも鍋にもなる調理器具ですね。テレビとビデオが合体したテレビデオみたいなやつです。
柾(まさき)式炊飯術と呼ばれる方法をベースに炊いていて、着火してからわずか11分とスピーディーに炊きあがるのが特徴です。柾式炊飯術の詳細は、原典や「みんなのごはん」で書いた記事を読んでください。
——11分で炊きあがるんですね! 炊飯器だと通常1時間ほどかかりますよね。どのような手順で炊いているのか気になります。
家から調理器具一式を持ってきたので、実際に炊いてみましょう。
うないいちどうの「米の炊き方」
用意するもの
● 米(470g)
● 水(550ml)
● はかり
● タッパー(1800mlなど大きめのもの)
● 鍋(今回はレミパンを使用)
● 鍋ふた
● ストップウォッチ(スマホの時計アプリでOK)
● 菜箸
● しゃもじ
● お椀
● 保存容器(余ったご飯を冷凍保存する場合)
補足
● 米の量が「470g」と中途半端なのは、普段うないが炊いている量と同じため
● 米470gだと、1食分の炊きたてをいただくことができ、保存容器3つ分(3食分)をストックできる
● うないの普段の生活に最適化した量となっているが、ご飯4膳ほどになるため、4人で炊きたてをいただく際にもちょうどいい
手順
① 米を洗う(「研ぐ」ではなく、手でやさしく洗う)
② 洗った米をタッパーに移して水を入れ、1時間以上、冷蔵庫で寝かせる
③ 冷蔵庫から取り出し、水を切って鍋に入れる(水を含んだ浸漬米は600g強になる)
④ 鍋に水580mlを入れる
⑤ 全開の強火で、沸騰するまで熱する
⑥ 沸騰したらストップウォッチをスタート
⑦ 満遍なく火を通すため、1分経ったあたりから菜箸でかき混ぜる
⑧ ストップウォッチが1分40秒まで進んだら、鍋に蓋をして中火にする
⑨ 2分40秒まで進んだら、蛍火(ぎりぎりの弱火)にする
⑩ 8分になったら蓋をあけ、お椀や保存容器にご飯を移す
レシピ動画
炊飯は「林間学校の続き」である
——炊飯の実演、ありがとうございました。おいしかったです!
今回は会社の備品のカセットコンロで炊きましたが、家のガスコンロよりも火力が弱かったですね。家のコンロが420kWに対して、カセットコンロは350kWでした。火力が異なる場合、そのぶん水分の量を調節するべきなんですけど、そこを省いていつもどおりに炊いたので、仕上がりがちょっとやわらかくなってしまいました。
——私は無洗米を使っているのですが、無洗米でも、この炊き方で問題ないですか?
私も普段は無洗米を使っています。今回は、米を洗うところからしっかりやったほうが愛が伝わるかなと思ってそうしましたが、自分の舌だと味の違いはわかりません。無洗米でも十分おいしいです。
——今後、炊き方をアップデートしていく予定はありますか?
柾式炊飯術は「鍋なら大体なんでもいい」という、あまり制約のない炊き方なんですが、著書には「鉄製の羽釜がおすすめ」と書かれています。鉄の羽釜を買って、さらに米を炊くのが上手くなりたいですね。
自分の炊き方は、柾式炊飯術の「お焦げなし版」で、ベーシックな炊き方は「お焦げあり版」です。鍋底にこびりついた米を、さらに熱して「お焦げ」を作る。そのお焦げに、塩やごま油などをかけて食べるのがオツなんです。
そういうオツな食べ方のほうが、余裕のある大人っぽくてカッコいいので、今後はお焦げも楽しく作っていきたいです。今は効率重視の炊き方なので。
——今度はお焦げも食べさせてください。では最後に、うないさんにとって「炊飯」とは?
炊飯器の電気の力でオートマチックに炊くのもいいのですが、ガスの火で炊くと、米のことがいつもより愛おしく感じられます。電気よりもひと手間かかるので、少しプリミティブになった気がするんです。そのプリミティブさが、愛の正体なのかもしれません。
レミパンで最初にご飯を炊いた際、小学校の頃に経験した、林間学校での飯盒炊爨(はんごうすいさん)を思い出しました。飯盒という底の深い容器に米と水を入れて、まきに火をつけて炊くんです。完璧な炊きあがりではなかったと記憶していますが、それでも炊飯器を使わずに炊けたことに感動を覚えました。
最近は、もっと上手に炊きたいなと考えていて、水の量を少し変えて試したりしています。常に今の自分を超えてゆきたい。私の炊飯道は、まだまだ終わりません。そういった意味では「炊飯は、林間学校の続きである」と言ってもいいのではないでしょうか。
——ちょっとよく分かりませんでした。ありがとうございました!
(編集部注)
取材は2023年6月に実施しました。2024年8月現在、うないは白米と玄米をブレンドしたものを、羽釜で炊いているそうです。
取材・執筆・撮影:うないいちどう
編集:野阪拓海
動画制作:ノオト動画班